開発ストーリー2(スイムタッチ)

サンケイST様との出会い

2019年12月にある方から会ってほしい人がいると言われて、サンケイSTスイミングスクールのコーチを紹介されました。
その時コーチから「競泳の世界は、いまだにストップウォッチを使ってタイムを計測している。。。そして、人がストップウォッチを使って測るので、誤差がある。厳しいスポーツの世界では誤差があることで選手のモチベーションが下がってしまう時もある。時として水泳を辞めてしまう場合も。。。練習時においてもタッチでタイムを計測することはできないものですかねーーー」という話を聞いて、「え”っ?!デジタル化が進んでいるこの時代に人力で、しかもストップウォッチで計測しているんですか???」と目が点になりました。
テレビでも水泳競技のタイム計測は、タッチ板を使っているのを目にしていたので、それは当たり前に練習でも行われていると一般人は、思っていたわけです。
数年前からサンケイST様とはご縁があったのですが、コーチと社長が実際に会ったのはこの時で、実はサンケイST様を繋いでくださった方は、ハーテックがちょうど20年前に作った製品に携わってくださっていた会社の息子さんだったという逸話もありました。

スイムタッチの開発のスタート

それから、いろいろと調べてみると競技で使われているタッチ板は公式記録用であること。練習用としては存在しないこと。他にも作ろうとされたところがあったけれども製品化されなかったことなど調べれば調べるほど難しいことがわかってきました。弊社社長は、超音波噴霧器の開発もそうですが、「こんなものを作れるか?」と言われ、閃きが訪れるとチャレンジしてしまうところがあるのですが、この時ばかりはさすがに唸ってしまいました。
公式用のものは特許性が高く、同じ方式では作れないことから、かなりハードルが高くなることがわかりました。悩みに悩んだ2020年1月。弊社の技術顧問に相談を持ち掛けたところから、スイムタッチの開発の始まりとなりました。ハーテックの技術顧問であるアイディアフォレストの代表は、弊社社長とは竹馬の友で、開発の始まる数年前からハーテックの技術的なアドバイスをしていただいておりました。
それから、顧問が研究を重ね、従来とは全く違う方式での水中でのタッチを計測する方法を模索、コロナが発生している間も試作を続けながら開発を続けていました。

スイムタッチ開発のみちのり

2022年7月。現在のスイムタッチの原型となるタッチ板ができあがりました。実際に水の中に入れて計測ができるか繰り返し実験を重ねました。そして、2022年12月、弊社社長とコーチと出会ってから約2年余り、サンケイSTスイミングスクール様での冬の合宿にスイムタッチを使っていただくことになりました。3日間、何十人もの選手の皆さんにタッチ板を蹴っていただき、耐久性もチェックすることができました。この頃にはタッチ板からの計測タイムをアンドロイドタブレットで表示することもできるようになっていました。このタブレット表示については、エスワタナベの渡邊代表にも多大なる力をお貸しいただきました。この頃にスイムタッチの基本ができたといえます。

ホイッスルからの信号をタッチ板やタブレットに送り、さらにタッチの計測をタブレットに表示させる。。さらにストップウォッチと同じ精度を持たせようとすると簡単にはいきません。
また、持ち運びが自由にできるような設計。プールの形状に合わせて設置位置を変更できるようにするなど、CAD機械設計の要素も含め、ハーテックの今までのノウハウと技術を詰め込んだ製品となりました。

さらには、計測だけでなく(いろいろな方からタッチで計測できるだけでもすごいと言ってくださっているのですが)、計測タイムをクラウドに上げて、一括管理ができるシステム「スイムウォッチ」を開発し、どこでも計測タイムを閲覧することが可能になりました。これにより、スイムタッチを使った記録会も実現できます。これも、組み込み制御開発及びシステム開発の経験があってこそと考えています。

スイムタッチを世の中へ

2023年11月にプレスリリースを行い、福岡のSPORTEC2023でのお披露目。2024年1月には障碍者の方々の団体にスイムタッチの導入をしていただきました。また、2024年7月東京で行われたSPORTEC2024では、多くの来場者の方々にご興味を持っていただきました。

人との出会いを大切にしてきたことも新しい製品を世の中に送り出す大きな要因です。開発のきっかけと実際のテストの機会を与えてくださったサンケイSTスイミングのコーチ。技術顧問や開発に協力してくださった方々。スイムタッチのブランディングに協力してくださった方々。ブランディングに関しては、スイムタッチのロゴ制作をしてくだったワイエスデザインの野口様、スイムタッチの動画を制作をしてくださったレクープロダクションの関口様にも多大なるお力をお貸しいただきました。

この先は、もっともっとスイムタッチ&スイムウォッチを知っていただけるように。使ってみたいと思っていただけるように。
スイムタッチ&スイムウォッチの進化も併せて、邁進してまいります。

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